生徒会で、ヒミツの恋愛しちゃいました。



治まる事の無い、溢れる程の怒りを抱えながら、あたしはガタッとイスから立ち上がった。




「そろそろ…行って来るね」



「行ってらっしゃーい!あたしもそろそろ帰ろっと」




友良の呟きを背中いっぱいに受けながら、あたしは教室を後にした。


綺麗に清掃されている廊下の床を見つめながら、ふと思う。



―――あたしが教室を出る時まで席に居た小杉春流は、果たして来るのだろうか、と。


ひょっとして、無理矢理にでも連れてきた方がよかったかな?じゃないと、瑞兄達困るだろうし。




「それにしても、何でヤツはあたしの事、キライなのかな…」




あたしだって人間だから、嫌われる事をしてしまう時だってある。


だけど、あたしは初対面の人間に“キライ”と一言吐かれたのだ。そりゃ胸にグサッと来るよね。




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