成熟と化して



盛り上げ部室
その中で男二人それぞれの時間を過ごしていた

一人は携帯で友達とメールをし、もう一人は、ブックカバーして、いかがわしい本を読んでいた

―コンコン

ドアが鳴った瞬間、いかがわしい本を読んでいた男―紙田は、ソファから飛び上がり、いかがわしい本を急いで片付けた。
それを確認したあと、携帯をいじっていた男―佐藤が落ち着いた声で言う
「どうぞ」

「…失礼します」

二つ結びの髪を脇まで伸ばした、大人しそうな女の子が入ってきた。

―おっ、かわいい

「で、何の用かな?」
チャラけた感じで紙田が聞いた。

「あ、あの…」
緊張気味に肩を竦め、女の子はもじもじしながら言う

「わ…私、す、好きな人がいて…」

「はんっ」
紙田は鼻で笑い、またいかがわしい本を読み始める
佐藤が、少女に「続けて」と言い

「だ、だから…あの…手伝って…欲しいと…」

最後の方は声が消えかかっていたが、何とか聞き取った

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