成熟と化して

もうじき、文化祭であった。

クラスでやってもいいし、個人でやってもいいという、何とも自由の学校だった。

個人でやる場合、きちんと先生に許可を貰わなければならないが。

佐藤のクラスは、特にやらないため、「よっしゃ」と喜んでいた

―楽できるぞー
と、思っていたが、それは淡い夢と化した。放課後、部活に行ったときにだ

「え!!やるんですか」

「当たり前だのクラッカー食べちゃったの助だよ」

「だからそれやめろ」
と、冷ややかにツッコんだあと、

「で、何をするんですか?」

「うーん…やっぱり盛り上げ部としては、盛り上げたいよな」

「うん。そうですね」

「よしっ!!いたずらだ!!いたずらをしよ」

「それは単なる嫌がらせです」

「んなわけねーだろ、いやがらない、みんな喜ぶ」

「皆Mだと思ってませんか?違いますから」

「んーじゃあ、」

紙田はニヤリと笑い

「金を盗むか」

「……はあ」

飽きれぎみにため息をつき

「それはもういたずらの域を越えて犯罪です」

「ぶっちゃけいたずらも一部犯罪に入るけどな」

「まあ…って冷静に言わないで下さい」

「よし、じゃあ先生の顔に落書きだ!!!」

「それ単なる日頃の鬱憤を晴らすためでしょ!!?」

「大正解だ」

「できれば間違いであって欲しかったよ」

「まあ、それぞれ考えてこようぞ」

「…わかりました」

―よし、楽なの考えよう

そんな強かなことを考えた佐藤だったが…

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