春も嵐も
5.惚れた女は実に強し!
ウソだと思いたい。
まさかだと笑いたい。
俺が弥生に抱いているこの気持ちを否定したい。
ましてや、彼女と血縁関係があるかも知れないって言うのに。
まさか、俺が弥生に恋をしているなんて――。
セミがうるさい小さな公園の日陰になっているベンチに、俺は1人で座っていた。
「――バカかよ…」
自嘲気味に俺は呟くと、息を吐いた。
こう毎日暑さが続いていると、誰も公園にこないんだな。
「ふうっ…」
あー、アイスが食べたい…。
入道雲は、まるで綿菓子のようである。
どこまでふくらむんだ、あれ。
そんなことを思っていたら、
「増田さんのところの弟さんじゃないですか?」
誰かに声をかけられた。
まさかだと笑いたい。
俺が弥生に抱いているこの気持ちを否定したい。
ましてや、彼女と血縁関係があるかも知れないって言うのに。
まさか、俺が弥生に恋をしているなんて――。
セミがうるさい小さな公園の日陰になっているベンチに、俺は1人で座っていた。
「――バカかよ…」
自嘲気味に俺は呟くと、息を吐いた。
こう毎日暑さが続いていると、誰も公園にこないんだな。
「ふうっ…」
あー、アイスが食べたい…。
入道雲は、まるで綿菓子のようである。
どこまでふくらむんだ、あれ。
そんなことを思っていたら、
「増田さんのところの弟さんじゃないですか?」
誰かに声をかけられた。