強がりも全部受け止めて
『女が一人憂いを帯びた表情で飲んでりゃ、男からしたら絶好のカモだろうが!

しかも泣いたり肩抱かれたり。お持ち帰りされる前に助けてやったんだから感謝すれよ!?』




えーと、これはもしかして心配してくれての行動だったの?




「…義彦ってシスコン?」



心配してくれてたのかと直接聞くのは恥ずかしくて茶化すように聞くと、心底嫌そうな目を向けられた。




『何が悲しくて身内の口説かれていちゃついてるシーン見てなきゃいけないんだよ。

お陰で萎えたっつうの。せっかく陽菜ちゃん来てくれたのにいつもの半分も口説けなかったんだからな!』



…こういつやつよね。期待した私がバカだったわ。
アンタ、さっきモテるとか言ってなかった?




「彼とはそんなんじゃないわ。ただ話をしてただけよ」




ため息混じりに告げるとすぐさま反論された。




『い〜や!違うね。あれは雄の目だった。俺が陽菜ちゃんを口説いてる時と同じ目だったね!』




「なっ!か、彼はアンタとは違うわよ!」




思わず大声で否定した。
据え膳くおうと、いつもがっついてる義彦と同列の扱いなんて。そんなの彼に申し訳なさ過ぎるわ!




ーー結局お互い1歩も譲らずに不毛な言い合いを繰り返しながら帰宅をする羽目になってしまった。




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