強がりも全部受け止めて
『ごめんっ!!俺、由梨にちゃん誠意を持って謝ってなかったよな。
謝って済まされるとは思ってないけど、本当に悪かった!!』




「・・・頭上げてくれる?」



彼は私の言葉におずおずと頭を上げる。





「謝らないで」




そう言うと、少しホッとしたような顔をした。許してもらった、と思っているんだろう。




私はそんな彼にはっきりと、言い放った。




「謝られたって許す気なんてないんだから」




サッと彼の顔が強張ったけれど、私は構わずに続けた。





「だってそうでしょう?私、貴方に裏切られたのよ?“ごめん”の一言で、簡単に許せるほど、人間できてないの」




それくらいショックだった。辛かった。




「仕事が忙しいって言ったから、会うのも控えたし、電話やメールだって控えてた。
なのに貴方はそんな私を裏切ってたのよ?」




『・・・ごめん』




誤らないでって言ったのに。





「別れた時だって本当は別れたくなんてなかった。でも言えなかった。
その私の気持ちに気付いて欲しかったのに」




『そう、だよな・・・。由梨は昔から強がってしまうのに、最後の最後でそれに気付かないなんて、俺最低だよな』




自嘲気味に力なく言われて、言葉に詰まった。




こんな弱弱しい彼を、私は見たことがない。


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