桜の見える丘(仮)
柏木君に声をかけてもらったおかげで、少しは調子を取り戻したみたい。
でも…やっぱりさっきみたいに輝いてない。
あまりにも違いすぎて…。
その姿に見かねた顧問の先生が神谷を呼ぶ。
「おい俊。どうした?急に調子が落ちたな。」
「すいません…。」
「謝らなくていい。だが、理由はなんだ?」
「………。」
「…答えないのか。まぁ、いい。集中するまで。行ってこい。」
腕を組んだまま、顎でドアの方向をさす。
「…ハイ。」
神谷は体育館を出ていき、靴を履き替えてからグランドに向かった。