愛乗りシンドバッド
確かにずっと
見ていたくなるような
爽やかな空が
広がっていた。

「そうですね。
……でも、もしかしたら
カモメはあなたに向かって
鳴いているのかも」

その人はとても
綺麗な人だった。

後になって
冷静に考えてみれば、
この時自分でもかなり
異様なほどハイで、
もしかしたら
ハルが薦めてきた煙草に
麻の葉でも
混じっていたんじゃ……?

だって真顔で
俺は臆面もなく
言ってしまったんだ。

「……カモメが
私に向かってですか?」

「はい。
だってあなたは
太陽のように眩しいから」

きっと海面の散光くらい
俺の歯は光っていただろう。
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