アセトアルデヒドの悪戯(イタズラ)


その、光景が、頭の中で、キレイに再生された。

そこまできて、ハッと我に返った。


何で、今、これ?

思ったけれど、すぐに分かった。

正樹が、彼女にけなされた瞬間の思いは、きっと今のあたしの気持ちと同じだったんだ。

あのときの正樹の思いなんて、知る由もない。

でもきっと、コレだったんだ。

こういう、どうしようもない、絶望感。

あのときはそこまでは分からなかった。

ただ、悔しいだろうな。

っていうのと、あたし自身の強い怒り。

それしか感じなかった。

理解したくもなかった、嫌な、気持ち。

・・・まてよ。
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