アセトアルデヒドの悪戯(イタズラ)

ほかく


「・・・と、言うわけで、今日からここの店員です」

正樹は、お客の派手なお姉さんに、白亜を紹介した。

カウンターの向こうの目が、白亜を物色する。

「あら、かわいい」

ハートマーク一杯の声で、お姉さんは食いついてきた。

「こんな可愛い弟君がいたのね」

白亜の顔は引きつった。



確かに、正樹は5つ年上の、兄だ。

けれど、あたしは弟、じゃない。

妹だ。


正樹は訂正する気もないらしく、笑っている。

< 9 / 54 >

この作品をシェア

pagetop