最後の天使
「笹乃丸さん!先輩!先輩!」
その奥から、
高くて聞きなれた声が聞こえる。
俺が部屋の奥に目を向けると
目の上にあざを作り、
小さく震える
山本が叫んでいた。
「おい!てめぇ、男つくってたのかよ」
「違う!違う!やあっ!」
男は
気が狂ったように
山本に掴みかかった。
俺は靴を脱ぐ間もなく
土足で部屋に上がり、
その手をふりほどいた。
「人の女に手ぇだしてんじゃねぇよ!」
男はそう言って
俺の左頬にストレートを決めた。