籠の鳥
フウの声は既に届いていなかった。



もう2度と話せないことが分かっているように、心の中に閉じ込めていた言葉を必死に口を動かしてフウに伝えていた。

「笑顔も自由も奪ったオレを、許さなくていい。これからは自由だ……誰にも縛られず、ここから立ち去れ…」

それは「逃げろ」と言っているのが分かった。

でもフウは分からなかった。


こんな時、どんな顔をすればいい……?


元々は妖怪。

だけど元々も人間。

感情が入り混じり過ぎて、自分の感情をコントロールできてはいなかった。

今までめんどくさすぎて手をつけてなかった。


こんな"ときだけ…主人の為にすることができない…。


困惑してるフウにマオは笑った。



「笑って…マオ」



既にマオの目の前にフウはいなかった。

昔の"マオ"の存在がそこにいた。
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