先生との恋☆Second・Story☆完結☆


一番大事な部分は悪かったけどさ。

「さ、帰りますよ」

片手でトレーを持って、片手で肩を押されて半ば強引に歩かされる。


「俺、秋よりは暇だからまた遊びに行くよ」


「ほんと!?」

座ったままあたしたちを眺めながら、ぽつりと言ってくれた思いがけない言葉に、嬉しくなる。

椿もあさみも仕事があるし、高橋は忙しいし。

検査以外は暇で暇で仕方が無い時間、聖くんが来て相手してくれるなら良いかも。


高橋よりも……融通きいて優しそうだし。


これダメ、あれダメだなんて言わなさそうだし。

良いかもしれない。楽しくなりそうと思っていれば、顔に出ていたみたいで。

「何か企んで無いよね?」


「ん?何が?」


疑うような視線をあたしに向けてくる。

「いつでも来てね!待ってる!!!」


ひらひらと手を振る聖くんに言って

まだ何か言いたそうな高橋の背中を、ほら行くよ、と押す。

聖くんの方を向いていた時に高橋があたしの分のトレーを持っていてくれて。

そのまま返却口まで持っていってくれた。

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