年上の彼氏


「どうしたの?」

どうしたの?って。

今日はクリスマス・イブじゃん。

会いたかったから。

言いたい事を全部心に閉まって

「これ・・・ケーキ入ってるから2人で・・・」

食べよ?

とは、言えなくて。

「食べて」

袋を渡す。

プレゼントを受け取った矢崎さんは、その袋をテーブルに置いて、

「え?ちょっと待って、送るから」

と。

・・・その言葉が、悲しかった。

プレゼントも見てくれない。

ありがとうも・・・ないんだ。

そして、私のことは送るんだ・・・やっぱり部屋に入れてくれないんだ。

「いいよ・・・」

「え?何?」

慌てて靴を履いている矢崎さんに、私の言葉は届かない。

「もう、いいよ」

「柊子ちゃん?」

矢崎さんの声だけ聞こえる。


もう、嫌だよ。

会いたいって思うのも。

大好きって思うのも。

一緒にいたいって思うのも。

私ばっかり。

「私ばっかりが・・・好きなの・・・」

「ん?何?」

「・・・帰る」

矢崎さんが靴を履き終わる前に、私はその場から走った。

「え!?ちょっと待って」

慌ててる矢崎さんの声が聞こえたけど、

もう、ここには居たくなくて。




もう・・・やだ。















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