年上の彼氏


1月も半ばを過ぎた頃、教室でいつものように遥と話をしてた。

「柊子さぁ、今日体調悪い?」

「なんで?」

「なんか顔色悪いよ?」

「そう?・・・そういわれるとちょっと熱っぽいかな?」

「受験が無いからってたるんでるんじゃないの?」

「ひどっ・・・入学に向けてこれでも頑張ってるんだからね」

「そうなの?」

「うん。秋仁さんが電話くれるのが11時過ぎだから、それまでちょっとでも知っておこうと思ってさ」

「なるほど。それで風邪でも引いたか?」

「どうかな~?気をつけてたんだけどね・・・この時期インフルエンザも流行るしさぁ。どこでウイルスもらってるかわかんないしね~」

「そうだよ~。私も気をつけよ」

雑談をしていると

「おーい、席につけ~」

チャイムと同時に先生が入ってきた。

「じゃ、また後でね」

「うん」

遥は笑顔で手を振り、自分の席に戻って行った。

確かに体はだるい。


ホームルームが終わり、トイレに行こうと席を立った瞬間。

あれ?

グラグラしてる・・・やばっ。

そのままもう一度椅子に座り机に伏せる。

貧血だ。

脂汗が出てくる。

横になりたい~。


小さい頃から貧血気味だった私は、倒れはしないものの具合が悪くなる事があった。

「・・・柊子?」

遥の声がして顔をあげると

「ちょっ・・・ヤバイよあんた。顔の色が白いよ。・・・保健室行く?」

「うん。お願い」

少し伏せていたからか、さっきよりは良くなっていて遥に支えられながら保健室まで歩いていけた。

それでも保健室につく頃にはやっぱり気持ち悪くて。


「せんせー」

遥がガラッとドアを開けて先生を呼ぶ。

「どうしたの?・・・あらっ・・・貧血かしら?顔色が無いわね」

「多分そうだと思います」

答えられない私に代わり遥が答えてくれた。

「そのままベッドに連れてって」

保健室の先生は50代のほんわかしてるお母さんみたいな先生。

だけど、そんなに顔色が白いのだろうか・・・。





< 82 / 130 >

この作品をシェア

pagetop