雪色の囁き ~淡雪よりも冷たいキス~


天音に駅まで送ってもらう途中。

さっきからずっとスマホが光っていて、通知が溜まっているのをうんざりしながら確認する。

響からの着信が数件あったのを無視し、ある人からのメッセージを開く。

そこには『誕生日おめでとう』と一言届けられていた。

自分の誕生日を覚えていてくれたことが嬉しくて、少しだけ癒やされる。

本当だったら、今はまだ彼氏と過ごしていたはずなのに。



「……遼?」


ちょうど、すれ違った男性のグループの中に見知った顔を見つけ、思わず声をかけた。


「紗矢花……?」


私に気づいてくれた彼は、驚いたように立ち止まる。

お祝いのメッセージを届けてくれた本人だった。


「知り合い? じゃあ、俺は帰るよ。またな」


天音は私へ手短に告げると、もと来た道へ戻って行った。
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