☆彡Night and day『廼斗』☆彡〜悩んでナイト〜
「閃通背(センツウバイ)!」


 小粒は大きく踏み込んで倒れている見猿にとどめを刺し、振り下ろされた『聞か猿』の脚を引き手で払い退けた。


「お嬢様。あの娘は一方的にイジメられているのではありません。寧ろ形勢は有利に見えますが……」


「毒島。貴方は寄ってたかってイジメをしている者たちのカタを持つのね?」


「いえ、そんなことは……」


「じゃあ行って! ほら早くっ!」


「斜行単鞭(シャコウタンベン)! 旋風脚(センプウキャク)!」


「キャキャ、ギャアア!」


「ゲヘッ、ゴヘッ」


 ハザードを焚いて道の端に停まったリムジンから、渋々厳が降り立つ内に、小粒は三兄弟との決着を付けていた。


「何度も同じ手でやられると思うな。飽虎帰山(ホウコキザン)フウウウウ」


 彼女は大きく脚を開き腰を落とすと、丹田(ヘソの下に有る気を溜める部位)に左手のひらを添え、右拳を打ち下ろし、息を吐いた。


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