愛ガ降る
そんなタイミングの中、廊下から聞こえる彼の独特の声だけが耳に入り、徐々に教室に近づいて来るのがわかった。
「…今日さぁ~…」
この声…。
そう思いながら視線を声の先に向けると、教室に入って来た彼と目が合った。
「あっ、上村さん!
いつも俺がこの教室にくる頃にはいないから、最近会わなかったね。
また席貸してね。」
大概くんは目が合った瞬間、無邪気な笑顔で思いがけないことにあたしに話しかけた。
「あっ、…う…ん。」
再び話し掛けられるなんて予想もしていなかったあたしは、動揺を隠すかのように素っ気ない態度で逃げるように教室を出てしまった。