愛ガ降る

終わらない道




大概くんの奇跡的な回復は、医師達も揃って驚いていた。



大概くんは、個室から大部屋に移動になると、リハビリも人一倍積極的に行った。



元々、運動神経も良かった大概くんは、短期間で普通に生活できるまでに回復した。



幸いにも、後遺症は一切残ることはなく、まさに奇跡的だと言われた。



あたしは少しの時間でも大概くんに会いたくて、毎日学校が終わると病院に通っていた。



今日もまた、大概くんに会いに病院の広い庭を横切っていると、少し離れた所から、あたしを呼ぶ声が聞こえてきた。



「あずっ!!」



その声に振り向くと、敷地内にあるベンチに座る大概くんの姿が視界に入った。



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