愛ガ降る



それはいつも聞こえてくる友達からの呼び声ではなく、女の子からの悲鳴にも近い声だった。



「陸~!!
今日も期待してるからね!!」


「頑張って~!」



その声は1人だけではなく、沢山の女の子の声が混ざっていた。



そんな声に誘われてか、ユウちゃんを待っていなくてはいけない入口をあたしは無意識に離れた。



緑の芝生が見えはじめ視界が開けると、あたしは大概くんがいるフィールドではなく、真っ先に声の聞こえてくるスタンド席に目がいった。



そこには、試合がまだ始まらないというのに、他校の女子高生が数十人ほど集まっていた。



スカートの種類から色んな学校から集まっている事がわかる。



ふと、初めて大概くんの名前を聞いた時のユウちゃんの言葉が頭に浮かんだ。



“あいつのこと好きな女、いっぱいいるって噂だよ…”



ずっと浮かれていたこともあり、そんな事などすっかり忘れていた。



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