春夏秋冬、君を包む風が吹く。
夕暮れ。
夕暮れ。
山に囲まれた一本道。
僕は緩やかに車を走らせる。


山の端のシルエット。
切り絵のように浮かび上がる。
紅い、広大な空のキャンバスに。


一日が終わる。


そんなシンプルな事を、当たり前のように思い知らせてくれる。


太古の昔から受け継がれてきた、天体の神秘。

その恩恵をこうして、授かることのできる今日は、悪い一日じゃなかったかもしれない。



大人になって、今の世の中を生きてて、ややこしいことも面倒なことも沢山あるけど。


大人になってから気づいた幸せも、きっとある。



車のカーステレオから流れる、ガールズバンド。
君が好きな曲に包まれながら、願う。


いつか、助手席に、君の笑顔がありますように。


ささやかだけど、それが今の、僕の幸せ。
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