春夏秋冬、君を包む風が吹く。
真夏の誕生日。
あきらめられたら、どんなに楽だろう。
もう何度思ったか知れない。


いつもどおりに挨拶をして。
いつもどおりに、持ち場に着く。


一生懸命仕事に打ち込む、まじめな人だと思ってた。
それだけだったはずなのに。
行き詰ると、なぜか君の力を借りたくなって。
君の持ち場をうろうろしてる事に気づいて。


いつのまにか、君を頼りにしてる自分がいた。


決まった人がいる君の事を、気付いたら、目で追っていた。



気になって仕方がないくせに、まだこの感情に名前をつけたくなくて。
どうせ届かない想いなら、はじめからなかったことにすればよかったのに。


君と目が合うたび、ドキドキして。
まったく言葉は出ないのに、うれしくて。
心の片隅で、ありもしないことを期待してしまう。


あきらめられたら、どんなに楽だろう。
好きだと言えたら、どんなに楽だろう。


どちらも選ぶことができないまま、勇気のひとつも出せないまま。
情けない俺はまたひとつ、年を重ねる。
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