さよなら異邦人
父、リュウノスケの行動は、常に突発的というか予測不可能な事が多い。

自分のガールフレンドを連れ込む時だって、いきなり紹介し、

「サンジュウゴ、この人が今日からお前のお姉さんになる人だ」

とか言うのだけれど、普通に彼女だって紹介すればいいのに、妙なところで照れているというか、素直じゃない性格をしている。

まあ、それは別にどっちでもいいんだけれど、サンジュウゴと名前で紹介されるのだけは願い下げだ。

それにしても、世の中にはどうしてこんなに物好きな女性が多いのだろう。

高校生にもなる子供が居る男性に惹かれる若い女性の心理って、僕には理解不能としか言いようが無い。

僕が中学の時に付き合っていた相手の女性なんか、父よりも僕との方が年齢では釣り合いそうな女性で、一ヶ月位同居した事がある。

中学生だった僕から見ても、女性という言い方よりは女の子と言った方がしっくりする位、マジで若かった。しかも、驚く位可愛かったし。

クラスのアイドルだった学級委員長なんか、まるでお子ちゃまに思える位。

更には悔しい事に、秘かに憧れていた某人気アイドルグループの子にそっくりと来たもんだ。

その彼女と一日中いちゃつき、こっちは目のやり場に困って何も手に付かなかった。

彼女も彼女で、全然僕の事なんか眼中に無し。

平気で目の前をバスタオル一枚の姿でうろつくし、僕の下着を自分の下着と一緒に洗っちゃうし。

ベランダに彼女の豹柄の紐パンと、僕の柄パンが干され、風にそよいでいたのを見た時は、恥ずかしさで卒倒しそうになった。

ちなみに、父の下着は彼女の物と変わらない位、布面積の狭いビキニタイプのやつ。

この時は、お陰で期末試験が全教科最悪の結果だった。

その後は、比較的落ち着いた年齢の彼女を作っては別れを繰り返していたから、まだ多少は許せた。

だから、その女の子を連れて来た時は、また中学の時の再現か?などと、びびり、更には妙な期待までして自己嫌悪に陥った。




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