青春スパイ大作戦【短編集】
最終指令:スパイを辞める時
後方から電灯の明かりがうっすらとオレ達の影を浮かび上がらせる。
目の前には、校舎が薄っすらとその姿を晒していた。
卒業してから、いつ来ても、昨日のことのようにあの頃が思い出される。
何度も、こうして深夜の学校に乗り込んで、あの頃の思い出を語っていた。
でも、今日はいつもとは少し違う。
空を見上げる。たくさんの星が光を放っている。
東京では、この程度の星も見ることはできないかもしれない。
そんなことを思った後、オレは顔を横に向ける。
そこには―――