青春スパイ大作戦【短編集】
「・・・実はね。親に反対されてるねん」

「3年も付き合ってるのに?」

「そう。結婚の話もあってんけど、うちの親が許してくれへんの」

そこまで言うと、彼女はまた涙を流し始めた。

どうやら、ある事件が発端で、両親が彼氏に対して悪いイメージを持ってしまい、それから両親は彼氏と付き合うことを反対していたのだ。

ちなみに本田さんのご両親は今でも娘を溺愛してて、未だに門限などが厳しく設定されてるとは聞いていた。

「彼氏は、何て言ってんの?」

「・・・何も言ってくれへん。親には歯向かえへんみたい」

「そっか・・・」

「凄い好きやってん。けど、・・・もう私、限界やねん!お父さんも。彼も。私のこと本気で考えてくれへん!」

本田さんは、感情を露にして、泣き叫んだ後、小さく呟いた。

「もう、ダメかもしれん。私・・・」

泣き続ける彼女が落ち着くまで、じっと待つ。

「ゴメンネ。こんなこと言って。だって、なんかにしくん聞き方が上手やから・・・」

「ええよ。だから、気にすんなって」

その時、雨音が少し緩んできた。


「そう。本田さんに渡したいものがあんねん」
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