好きとは言えなくて…


「はっ? マジですか?」


私の携帯に写っていたのは佐倉君と佐倉君の彼女が手を繋いだプリクラだった。
ご丁寧に『たつき&こずえ 付き合って1日目』と女の子らしい字でらくがきされていた。


「うん。本当だよ。
確かこのメールが来たのが一週間くらい前だから惜しくも私と斉藤君が付き合った日と同じなんだよね」



私が好きだって伝えた次の日に付き合ってるということは私がなんと言おうと意味がなかったってこと。好きって伝えて逃げたのは私だけどね。



「あたしはてっきり佐倉君は由衣に気があるのかと思ってた」


「そんな訳ないよ。言ってなかったけど実は佐倉君に好きだって言ってるから」



この際だからもう菜美にはぶっちゃけてしまおう。

そう思って今まで言えなかった一週間前の話をする。



この話するとまた菜美に怒られるんだろうな。




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