きみのとなり

「鈴木君！！！」



やっと彼に追いついた。




「…みぃたん？」




田中君はハァハァと息切れする私を不思議そうに見たけど、「先、帰る」と言って慌てた様子で帰って行った。





「っ……ハァハァ…鈴木、君、待って…」




私は膝に手を付きながら切れる息を整える。



その間にも、“待って”と言わなきゃ鈴木君がどこかに行ってしまいそうで怖い。




「…待って……」




「上原」




「…うん」




「待ってるから、大丈夫。落ち着いて？」




「……うん…」




やっぱり…優しいね…




「…鈴木君…私…うまく言えないかもしれない。だけど、だけど…」



「うん。大丈夫。聞くから、ちゃんと」




鈴木君のそんな優しい言葉に、涙が溢れる。




「…っ…あのね、私…拓ちゃんが好き…」



「……」



「っ…でもねっ、この前…私…鈴木君のこと…お父さんに“大切な人”って、言いそうになってた…っ…」