きみのとなり


「ついたぞー」


バスが止まって、先生がみんなに呼びかけた。



「結構豪華だねー」



合宿の宿舎は民宿だった。



荷物を持って、民宿の人が部屋へと案内してくれた。



「中も綺麗だね。なんな勉強会とか言っても楽しめそう!!」


部屋につくと、ポイッと荷物を投げて敷いてある布団にダイブした。



「はしゃぎすぎだって」



私はあははっと笑って、荷物を置いた。




「あ!そうだ!」



「ん?」



布団にゴロゴロ転がっていた梢がいきなり立ち上がって荷物を探りはじめた。




「…と~…あった!!」



「何?」



「うふふ!これ!」



ニコニコしながら梢が前に突き出したのは




「は…なび?」



「イエス!!!」



花火だって。



この時期になると、マンションの下で…





「…ダメ」



「え~!?」



私が断ると梢は口を尖らせた。



「先生に見つかったら怒られるよ?」



「…許可とったよー」



「でも…勉強会に来たわけだし…」




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