きみのとなり


斗真君の手はすごく暖かくて、手袋を忘れて出てきたから余計に暖かく感じた。



「あ!」


「ん?」


「ちょっとごめんね」


私は、鞄に入れてあるものを思い出して、ベンチに置いてある鞄をガサガサとあさった。



「あった……斗真君」


「ん?どうし…」


「はい。これ」


私は、きれいにラッピングされたそれを斗真君の目の前に差し出す。



「昨日、渡せなかったから。斗真君に似合うと思って選んだの」


「開けてもいいの?」


「うん。気に入るといいんだけど……」


私はなんとなく恥ずかしくて、斗真君が座っている横に静かに座った。



「わー!マフラーと手袋!」


「ありきたりでごめんね…」


「いや、ちょうど新しいの買おうと思ってたんだよ!ははっ!ちょー嬉しい!ありがとう!」


斗真君はニッと本当に嬉しそうな顔で笑った。


「あ、じゃあ俺も…」


そう言うと斗真君はかわいいリボンがついた袋を渡してくれた。


「開けてもいい?」


「うん…でも、俺女の子の趣味とか分かんないから気に入るかわかんないけど…」


袋を開けると、かわいいストラップが出てきた。


小さいのと大きいなリボンと白いファーがついているかわいらしいストラップだ。


斗真君が、私のために…


「あー!やっぱり気に入らなかった?あー!ごめん!捨ててもいいからほんと!」


「…ううん、すごいかわいい。っ…嬉しい!」


斗真君が私のために女の子だらけのお店にいって選んでくれたのを思うとすごく嬉しくて、私はニヤニヤが止まらなかった。



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