きみのとなり

改めて



それから、拓ちゃんは検査とか色々あって、数日間だけど入院した。


今日は拓ちゃんが退院の日だ。



なのに。





「ぬあーー!」



なんで私は一人家でお留守番なんだ!



私も行きたかった。

い、一応、彼女だし。




なのに。


お母さんたらーー



「もう冬休みもあと少ししかないのに!勉強なんて全くしてないじゃない!受験生でしょ!」


「だって!拓ちゃんのところに行きたいんだもん!」


「拓海君は大丈夫って言ってたでしょ!今日の最終検査もたぶんなんともないと思うって言ってたわよ!」


「でも行く!」


「ダメ。そんなこと言ってると、拓海君の家庭教師は取り止めにします。」ーー





てことで、私は渋々お母さんのいうことをきいて大人しくお留守番して勉強をしているわけだ。



幸い、受験生だからという理由で宿題はなく、自分の受験勉強をしなさいということだったので、いつもみたいに宿題で焦ることはない。



でも、いつも拓ちゃんが宿題をみてくれていたから、あれもあれで楽しかった。



「あーあ……」



お母さんはちゃっかり拓ちゃんのところに行っている。



うーん、そろそろ帰って来るはずなのに。



「……眠っ…」


拓ちゃんといるときは眠くなんかないのに、一人でこう、文字を見ていると眠くて仕方ない。



いいや…


お母さんもいないし……



寝ちゃお……












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