きみのとなり


「ん…」



私はゆっくりと瞼を開けた。




見えるのは見慣れない白い天井と白いカーテン。




私…




あ…そうか。



頭痛くて気持ち悪くなって…




拓ちゃんが高校の保健室まで運んでくれたんだ。




「拓ちゃん…?」



私は保健室まで運んでくれた拓ちゃんを捜す。




いないのかしら…




私はのそのそとベッドから起き上がる。




「…拓ちゃん……」




何か重いとは思っていたけど



拓ちゃんはイスに座り、ベッドに突っ伏して寝息をたてていた。




「……」



ずっと、そばにいてくれたんだ…




「拓ちゃん…ごめんなさい…」


私は眠っている拓ちゃんに謝った。




「拓ちゃんの荷物だよね。私…河野さんも迷惑だと思うし…」


うぅ…自分で言ってて泣けてくる。




「ごめん…拓ちゃん…」




私は床にストンと足を着けてカーテンを開けた。



流れる涙を拭って保健室を後にする。




ごめん…



ごめん…




拓ちゃん…





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