きみのとなり


黒板に委員長が競技名を書いていく。



ソフトボール、バスケ…



最後に“サッカー”と書いて委員長はチョークを置いた。




「じゃあ、決めまーす!手を挙げてください!ソフトがいい人!」



私は手を挙げなかった。



梢とバスケにいくと約束していたから。




バスケ…バスケ…




「ソフトは決定!じゃあ次バスケ…」



私は素早く手を挙げた。




周りの人も手を挙げる。




うわ…なんか人数多くない?




「…うーん……バスケ一人多いなあ…これだとサッカーが少なくなっちゃう。誰かーサッカーに移ってくれる人いませんかあ?」




絶対嫌。絶対嫌!!



観戦するのはできても



競技するなんてできない。




じゃんけんとか…ならないよね…?





「上原やれば?サッカー」



「はい?」




な…何を?



私は突然声が聞こえてきた方へと顔をゆっくりと向けた。




「す…鈴木君…?」





< 50 / 338 >

この作品をシェア

pagetop