きみのとなり


「だからぁ~!ジグザグに蹴れって言ってんのに何で真っ直ぐに蹴るんだよ!」



あ…あれ?



正夢?



私はガクッとうなだれた。




「拓ちゃん…私、向いてないよ…」



「……」



私はティーシャツについた土をパンパンと払いながら言った。


「今日は終わるか?」



私は首を大きく横に振った。



「…拓ちゃんがせっかく来てくれたから、頑張るよ…」




心配して駆け寄って来てくれた拓ちゃんに私はニッと笑った。



「…分かった」



拓ちゃんもニッと笑って私の頭を撫でてくれた。



そんな優しさにちょっと胸が痛む。




「よしっ!もっかいやろう」



「うん…」



私は流れる汗を拭いて笑った。



拓ちゃん…やっぱり私…




拓ちゃんが好きだよ。







< 71 / 338 >

この作品をシェア

pagetop