きみのとなり

優しい君



“わー”と歓声が響いた。




「入ったー!未来ちゃん!入っ…」



「ちょっとタイム!!」



優子ちゃんが飛び上がって喜んだんだけど、それは相手チームの子によって制された。




「…っ…いた…い…」



「未来ちゃん!?」




良かった…近くにいた子が優しい子で




「痛い…痛いよ…」



それを聞いて周りにいる子達が騒ぎ出す。




「未来ちゃん!どうしたの!?」



「っ…足が…うぅ…痛いよ…」


「足!?」




私は涙を流しながらうずくまった。




痛い…



痛いよ






「未来!!」



みんながどうしようもなくなってる時だった。




「大丈夫だから、ほら乗って」


拓ちゃんが駆け寄って来て私をおんぶした。



「え!?石川先輩!?」



「俺が保健室連れて行きます。ちょっと…どいて」




拓ちゃんは


ひょいと私をおんぶしたまま立ち上がり歩き出した。




女子はあの人気者だった拓ちゃんが来たことでガヤガヤしっぱなしだった。








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