僕たちの時間(とき)
■『僕たちの時間(とき)』

《PROLOGUE》

 早いもので……。

 季節はめぐり、また春がやってきた。

 僕はもう、大学生活2年目を迎えようとしている。


 君が好きだった春。

 そして……、

 ――君が逝ってしまった春。


 君と2人で歩み始めてから、

 君が時間を止めてしまってから、

 もうどれ程の季節が移ろい流れていったのか……。

 短くも長くも感じられたあの輝いていた時間をずっと、僕達は2人一緒に過ごしてきた。

 本当に、色々なことがあった。

 喜びだけじゃなく…、哀しみも、辛さも、苦しみも、何もかもが……。

 でも、僕らは幸せだった。

 僕達にとっての、本当の意味での“幸せ”を、生きていたと思えるから……。


 だから僕は。

 もう“後悔”なんて、していない―――。
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