僕たちの時間(とき)

11.PROMISS ――ただ、君のそばに…。

 急いで急いで急いで……、

 やっと病院に着いた頃には、当然のことながら面会時間はとっくに過ぎていた。

 人気(ひとけ)も無く、入口にはカーテンが引かれ、もちろん施錠されている。

 でも、ここまで来て引き返せるものか。

 僕は裏へまわり、救急用出入口から中へ入った。

 薄暗い階段、そして薄暗い廊下。

 冷たく硬い空気に、僕の足音だけが不気味に響く。


(あぁ…、こんなだったな……)


 思い出した。

 明(あかり)に会うために歩いた廊下も、こんな感じだったっけ……。

(明……)

 僕はおまえに何もしてやれなかった……後から結果だけを知らされるなんて、もうイヤだ……!

 もう、あんな思いはしたくない。

 明のような想いを、水月にはさせたくない。


(何よりも…! 僕自身もう、後悔を引きずったままで生きたくはない……!!)
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