〖完〗子ども警察官の精華
 チャイムが鳴り、みんなが席に着いた。

 精華は、蓮太のほうをちらりと見た。

 早ければ今日、逮捕されることをまだ知らない顔。

 精華が見ているのに気付いてない。

 少し安心したが、ふと、連太を怨みたくなる。

 
――お前が事件を起こさなければ、普通の中学生やった。――

 他のホシにも言いたいことだが。

 怨んでいる顔を隠し、通常モードに戻る。 


 朝学活中はうるさい。

 だけど、精華は気に留められる場合じゃない。

 放課後が待ち遠しいような、来てほしくないような・・・

 複雑な気分だった。

 逮捕で、ホシの未来を奪う。



< 174 / 209 >

この作品をシェア

pagetop