【完】ポケット-幼なじみ-
歩夢をおんぶしながら家に帰り
ベッドに
横に寝かせて氷嚢をあてた。
「…冷…たっ……」
起き上がろうとする歩夢を止める
「寝てろ」
そういってもう一度横に寝かせて
俺は静かにベッドの端に座った。
「……………。」
二人の間で沈黙がながれる。
「………はる君…」
と最初に沈黙を
やぶったのは歩夢だった。
「ん?」
と顔を向けて返事をすると
顔を真っ赤にした歩夢が目に
涙をためながら俺を見ていた。
―――――――――ドキン、
また、
不意に大きく心臓が鳴った。