【完】ポケット-幼なじみ-
前の席にいる中等部からの
一番の親友、
"津田 千夏(ツダ チナツ)"が振り向く
「あゆー、だから呼んだのに」
可愛い顔の千夏が口を尖らせてそう言う。
「…ぼーっとしてた」
大丈夫?と、ぱっちりと開いたその大きな瞳で下から顔をのぞかれる。
さっきも言ったけど千夏は可愛い。
同じ女なのにドキドキしてしまうほどで。
「だ、大丈夫。」
そう言うのが精一杯で必死に目を泳がせる。
……何と言うか、色っぽい。
それは、周りの人みんなをドキドキさせる程。
「そ?なら良いんだけど。
あ。そういえば、今あてられた
問題、よくわかったねー。」
「え、あ…うん……」
小さく返事をすると千夏は優しく微笑んだ
はる君のおかげだよ…
後で、お礼言わなきゃ。