【完】ポケット-幼なじみ-
「ち、違うもん。はる君のこと
なんてどうでもいいもん。」
どうでもよくなんて、ない。
はる君のことばっか想ってたくせに。
こんなこと言いたいんじゃないのに。
口が止まらない。
「…そうなんだ。」
私の次の言葉を遮った声はとても冷たくて、胸がまたズキンって締め付けられた。
だけど口は止まらず、反対の言葉ばっかり出てしまう。
「…はる君なんか…大嫌…っ」
「…もう、黙って。」
私の言葉を塞ぐかのように、唇に何かが触れた。