【完】ポケット-幼なじみ-




「お、水瀬が帰って来たー」



誰かが言った。






それと同時にもっと騒がしくなる。




女の子たちのきゃーきゃー
言う悲鳴に近い声は耳が痛くなる。






男子にはからかわれている。






「歩夢っ」


そんな中で透き通るような声で名前を呼ばれて

「はい」と返事をすると




「…………津田…」



あまりにも真剣な表情で言うからはる君から目を離せなくなる





千夏になにもないと良いんだけど





「津田、…ただの貧血だって。」




「…そっか。ならよかった!はる君……ありがと。」




そう言ってホッと胸を撫で下ろす



「あぁ…。あとで…保健室行ってやって」



「え……うん。」


私が返事をするのを確認してからはる君はからかいの輪の中に入っていった。







なんだか…胸騒ぎがする………
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