【完】ポケット-幼なじみ-
病院の目の前に着いて自転車はとまった。
普段は道のりも時間も
短く感じるのだけど
今日は全てがとても長く思えた。
「先行ってて、後から行くから」
ゆっくり自転車からおりる
ねぇ―――――本当に、
ちゃんと―…後で来てくれる?
そんな私の心を読めたかのように
「行くから、絶対に。
だから……
今は津田だけを心配してろ」
とはる君は言った。
うん、そう言ってから
私ははる君に背中を向けた。