~先生と私の秘密~


始業式のお決まりはPTA会長のちょっと長いお話と校長先生の長すぎるお話・・・。
さすがに眠くなる・・・。



「え~、次は各年次担任の紹介です。」


あまり上手くない司会の先生の声で次々と年次担当が読み上げられる・・・

そしてついに私達のクラスの担任が読み上げられる・・・。緊張の瞬間・・・



「2年4組担任、遠藤隼人、科目、数学・・・。」


私は顔を上げてみる。



眠気はどこに行ったのかな?一瞬でその姿に魅入ってしまう・・・。時間が止まったみたいだった。


久しぶりのホームルーム。目の前にはあの先生がいる・・。



「今日から一年間お前等と一緒に過ごす遠藤隼人だ。よろしくな。ちなみに知ってると思うが、教科は数学だ。分からない事があれば数学教官室にいつでもいるから来い。」


・・・ドキドキしたの。吸い込まれそうな黒い瞳に低くて優しい声、スーツを見事に着こなすスラッとした長身・・。



「・・みぉっ・・柏木澪っ!」


「はいっ?!」



「出席とっただけだ。
あまり上の空になるなよ。」



「すみません・・・。」


ビックリしたぁ・・・。

ついついみとれちゃった。でも名前呼ばれただけなのにドキドキが止まらないよ・・・。




この気持ち、何だっけ・・・
大事な事忘れてる気がする・・・。

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