~先生と私の秘密~



「そろそろ帰るか!」



「うん!」


そういって二人で立ち上がる。


「あ、先生!」



「どうした?」



「メアド教えて!」



「忘れてた!ごめんな。」



手を顔の前で合わす先生。


かわいいな~。



「全然大丈夫だよ~!」


私の携帯に登録された
"遠藤隼人"



先生の携帯に登録された
"柏木澪"



なんか不思議な感じ・・・。



「柏木が俺の彼女か。俺に冷めるなよ。」



「冷めるわけないじゃない!先生こそ私の事、冷めないでね!」



「ずっと傍にいるよ。」


馬鹿みたいな話をしながら
車で孤児院に向かう。



先生が言ってくれたの。



"車で送るよ"


って。


かっこよかったな。


車を運転する先生の横顔が好き。


私は終始、先生の運転姿を観察していた。



「やりづらいだろ~!」



「気にせず運転してね!」



こんな時間は永遠に続くとは
限らない。

幸せな時間っていうのは忘れやすいから、
私は、この一瞬一瞬を
大切にして先生との思い出を作るんだ。



そう、先生と二人で。



ただいまPM11時。


明日は晴れるでしょう。


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