薔薇色の人生
中に入り暫くすると子供達も慣れてきて優子さんとジャレあっていて、僕は職員の方々と一緒に鍋の準備を手伝っていた。すると池谷さんが台所に来て《ようこそいらっしゃいました。今日はゆっくりしていって下さい》と挨拶して自分も準備にとりかかったが、どこか元気がない様に見える。何気なく窓から外を見ると園庭の入口にタクシーが停まり、男が二人乗り込んで走り去った。男の片方をどこかで見た事がある気がしていたが思い出せない。次第に台所の付近が湯気と子供達の騒ぎ声に包まれて賑やかで暖かい宴が始まり、男の事は頭の片隅から消えていった。
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