一瞬の永遠を、きみと

知らないくせに、まるで友達の名前でも呼んでるみたいに朗が言うから、なんだかおかしくて少し笑えた。


変なの。

昨日はその名前を見ただけで、あんなに苦しくなっていたのに。



「で、なんだって?」

「やっぱりやり直したいから、もう一度会えないか、だって」

「……へえ」


なんだよ、確か最初に別れを切り出したのは、向こうだったはずなのに。

やっぱりやり直したいなんて。



「返事はしないのか?」

「うーん、そうだなあ……」


トオルの笑った顔を思い出す。

でも、鮮明には浮かんでこなかった。


なんでだろう、あんなに大好きだったのに、あんなに焼き付いて離れなかったのに。

今は、思い出すことすら難しい。
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