したたか舌打ち、ジメジメいじめ
【誰かが普通に話しているだけなのに、自分の悪口を言っている】んじゃないかとか、
メールしているだけで、笑っているだけで、全部【皆に自分を悪く言われている】んじゃないかと。
きっとAちゃんもBちゃんもそう思ったことでしょう。俺の憶測だから分からないけと。
【追い詰められる】んだ。
見えない悪口に囚われる。
俺が思うに、ご主人は多分、Bちゃんに凄く嫌われてたんじゃないか――と。
【積極的にいじめる人よりも、人の良いフリをして見ているだけのイジメを容認する人】が、
Bちゃんは堪らなく憎かったんじゃないか、と。
――ご主人は一緒に居た癖にBちゃんに何もできなくて、何も友情はなかった。
なんやかんやでご主人は二年生になった。
女子高生と言えば二年が黄金期と噂だ。
学校にも慣れ進路も三年じゃないから気楽で、唯一チャラチャラ出来る学年、それが華の高校二年生。
クラス替えでメンバーは変われど、【女子の階級は同じ】だ。
1番目グループは派手な服のギャルな感じが二つ、3番目グループはトレンド系とお姉さんな感じ、
4番目グループが中途半端な感じ、5番目がナチュラルな感じ、6番目が控えめな感じで、
【上下関係】は一年と変わってない。
なんとなく似た者同士がグループになる法則により、ご主人は3番目グループに在籍していた。
仲良くなれると確信したきっかけは、『スケジュール帳欲しくてさ、探偵手帳って売ってなくない?』に、
初対面で『しかしまあなんですなぁ』と言う返事が貰えたから、だったはず。
二年生は意地悪な事件もなく、気楽に過ごせたら良いなと思う。