好きだと、言って。①~忘れえぬ人~


どんなに時が流れても、忘れられない光景がある。


天空にぽっかり浮かぶ、白い満月。


広がる、満天の星屑。


遠くで聞こえる、祭り囃子の太鼓の音。


リンゴ飴の、甘いにおい。


水風船の鮮やかな青と、ヒンヤリとした手触り。


そして。


心の奥に、


微かな痛みを伴う、忘れられない想いを抱いたまま。


今年も又。


夏が訪れる――。




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