好きだと、言って。①~忘れえぬ人~
ハルカの心臓は、すでに動いているのが不思議なくらいに弱っていて。
もう、手術に耐えられるだけの体力も残されてはおらず、
再び大きな発作に見舞われれば、ほとんど助かる見込みはないと、そう、言われていた。
それでも、
私も、浩二も、信じていたかった。
それがどんなに低い確率でも、
例え、自然の摂理に反しているとしても、
奇蹟は再び起こると、
起こるはずだと、
そう、信じていたかった――。