好きだと、言って。①~忘れえぬ人~
「そうか、浩二が……」
ぽつりと落とされた伊藤君の呟きに、私は静かに頷いた。
「なんだか、心配でね。もともと涙もろいヤツなのに、涙一つ見せないなんて、そうとう無理しているんだろうなぁって。
でも、私には、どうしてあげることも出来ないし……」
私は、何もしてあげられない。
三ヶ月年上の従姉だといつも威張っているのに、肝心なときに、何もしてあげられない。
私に出来るのは、浩二の代わりに泣くことくらいだ。
ハルカが火葬炉に入れられる直前の、『最後のお別れ』のとき。
棺桶の中で、みんなに手向けられた花々に守られるように、
白無垢の花嫁衣装を身に纏い、死に化粧を施されたハルカは、本当に綺麗で。
今にも、『あーちゃん』って、いつもの笑顔を見せてくれるようなそんな気がして、
私は、込み上げてくる熱いものを押さえきれず、とうとう、泣き出してしまった。
浩二が泣かないのに。
泣いたらいけない。
そう思えば思うほど、涙は止めどなく溢れ出した。